依存症とは?原因・症状・治療法について解説
依存症とは、特定の物質(酒、処方薬、覚せい剤、大麻等)や行動(ギャンブル、窃盗、盗撮等の性的問題行動)に対して欲求を持ち、これらを繰り返す事で、個人の生活や心理的な健康に重大な影響を及ぼすものを指します。以下では、依存症の一般的な原因、症状、および治療法について解説します。
【原因】
依存症の原因は正確には、まだ解明されていません。非常に複雑で、遺伝的、環境的、および心理社会的要因が関与するとも言われています。遺伝的要因は、依存症の発症に寄与する可能性があります。また、環境的要因も重要であり、薬物乱用や問題行動へのアクセス、ストレスやトラウマなどが依存症のリスクを高めることがあります。さらに、心理社会的要因は、自己価値感の低下、対人関係の問題、内部の空虚感など、依存症の背後にある心理的な要素を形成する可能性があります。
【症状】
依存症の症状は、依存している物質や行動によって異なる場合がありますが、一般的には以下のような特徴があります。
強い欲求や渇望:依存物質や行動への強い欲求や渇望があり、それによって日常生活が支配されることがあります。
制御不能な使用または行動:依存症の人は、物質の使用や特定の行動を制御することが困難になります。
耐性の発達:依存症が進行すると、物質の使用量や行動の頻度が増えることがあります。
離脱症状:物質や行動への依存が強い場合、依存から離れると身体的または精神的な不快感や離脱症状が現れることがあります。
社会的・職業的な問題:依存症は、人間関係や職業生活に悪影響を及ぼし、社会的な孤立や経済的な問題を引き起こすことがあります。
【治療法】
依存症の治療法は、個人の状況や依存している物質や行動によって異なります。以下に一般的な治療法の一部を紹介します。
薬物治療:特定の薬剤を使用して、依存症の症状を改善できることがあります。アルコール依存症については、薬物療法があり、酒への欲求を下げるものであったり、酒に酔いやすくし断酒を促す薬を提供する事ができます。性的問題行動についても、一部仕様できる薬剤がありますので、ご相談ください。
心理療法:心理療法は、依存症の治療において重要な役割を果たします。現在、日本において広く用いられている治療は、集団認知行動療法であり、依存症に対する効果が科学的に証明されています。これらのアプローチは、依存症の欲求となるキッカケを追求し、そのキッカケに対し、どのように対処していくか、依存症のパターンを変えるためのスキルや戦略を提供します。
当事者グループ:依存症の治療において、当事者や当事者家族のみで運営されるグループ、つまり自助グループは、本人にとっても、家族にとっても非常に役立ちます。同じ問題を抱えた他の人々との交流や経験共有は、自分が一人で抱えている問題ではなかった事、自身に依存症以外の改善すべき問題がある事を気づかせてくれます。
リハビリテーションプログラム:外来治療、当事者グループによっても問題行動が止まらない場合、諦める事はありません。この場合、入院、もしくは施設入所による専門のリハビリテーションプログラム提供が検討されます。これらのプログラムは、身体的、心理的、および社会的な側面を包括的に扱い、回復のための環境を提供します。もしかすると、「長いなぁ」と感じる事もあるかもしれませんが、欲求が生じにくい守られた環境で一定期間安全に過ごせた経験は、その後のあなたの人生において「辞められるんだ」という自信を与えてくれるものと思っています。
依存症の治療は、継続的なケアとサポートが必要です。また、早期の介入と予防も非常に重要です。依存症の人をサポートしようと考えている家族や友人は、当事者本人が受診、相談に行けそうにない場合であっても、専門家や治療機関の早急な支援を受けることをお勧めします。
依存症は、当事者本人やその周囲の人々に深刻な影響を与える問題となります。よく誤解される事は、「本人の意思が弱いからやめられない」「そもそもの人格、性格が悪いのだ」と言われてしまいます。しかし、よく見てみてください、その当事者は「〇〇の問題行動さえやめれば、良い人」ではないでしょうか。そうなのです、当事者も問題行動だけがなぜ続いてしまうのか、理由がよく分かっていません。そして、さらによく見てみると、当事者も外来に受診する前に何らかの問題行動を改善しようと努力をしている様子があります。いつから始めても、回復はできます。遅いという事はありません。